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2025.09.10
人類は太陽や月の動きから「時間」を感じ取っていました。
日時計(ひどけい):紀元前3500年ごろの古代エジプトで使われたのが最古とされます。棒の影の長さで時間を測る仕組み。
水時計:同じく古代エジプトやギリシャ、中国などで発展。一定の水の流れや溜まり具合で時間を測りました。
ろうそく時計・香時計:中国や日本で使われ、ろうそくや線香の燃える長さで時を計る方法もありました。
中世ヨーロッパ(13~14世紀)
教会や修道院で祈りの時刻を正確に知るために「塔時計」が作られました。最初はおもりで動き、音を鳴らすだけでした。
15世紀
小型化が進み、携帯できる「懐中時計」が登場。ドイツのニュルンベルクで生まれた「タマゴ型時計」が有名です。
17世紀:オランダのホイヘンスが「振り子時計」を発明し、精度が大きく向上。
18~19世紀:ゼンマイ式の懐中時計が一般に広がる。
20世紀:腕時計が普及。第一次世界大戦を機に兵士が懐中時計から腕時計を使うようになったのがきっかけ。
1970年代:「クォーツ時計(電池式)」が登場し、時間の正確さが飛躍的に進歩。
スマホやスマートウォッチが当たり前の時代になり、単に「時間を知る道具」から「ライフスタイルやファッションを彩る存在」へと役割が広がっています。
文献により違いはありますがイギリス・フランスが時計作りが盛んであったようですがいよいよ下記の天才時計師の登場です。
1775年
アブラアン-ルイ・ブレゲ(Abraham-Louis Breguet、1747-1823)がパリのシテ島に工房を設立。
彼は「時計の天才」と呼ばれ、後に時計史に残る数々の発明を行います。
1780年頃
世界初の自動巻き時計「ペルペチュエル」を開発。
1783年
「ブレゲ針(Breguet hands)」「ブレゲ数字(Breguet numerals)」を考案。デザインの代名詞となる。
1785年以降
フランス王妃マリー・アントワネットやナポレオン一族など王侯貴族から絶大な支持を受ける。特にマリー・アントワネットのために依頼された「No.160 マリー・アントワネット」懐中時計は伝説的存在。
1790年
耐震装置「パラシュート機構」を発明。時計の耐久性を大幅に向上。
1801年
トゥールビヨン機構を発明。重力の影響を抑え、精度を飛躍的に改善する革新的機構で、現在もブレゲを象徴する発明。
1810年
世界初の腕時計を製作。ナポリ王妃カロリーヌ(ナポレオンの妹)のために作られた「クイーン・オブ・ネイプルズ(Reine de Naples)」がその原型。
アブラアン-ルイの死後も、息子や弟子たちが工房を継承。
19世紀にはフランス海軍の公式サプライヤーとなり、マリンクロノメーター(航海用精密時計)を製作。
20世紀には航空機用時計やクロノグラフの分野でも影響力を持ちました。
1999年
スウォッチグループ(現・スウォッチ グループ)傘下に入り、ハイエンド路線を強化。
伝統的なギヨシェ彫り、ブルースチール針、コインエッジのケースなど、創業者時代の意匠を守りながら最新技術を融合。
「クラシック」「マリーン」「トラディション」「クイーン・オブ・ネイプルズ」などのコレクションを展開し、歴史と革新を兼ね備えたブランドとして現在もトップメゾンの一つに数えられています。
現在も高級時計を購入した顧客のデータがパリのヴァンドーム広場にあるブレゲミュージアムの台帳に記載され続けているそうですよ。