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2025.12.03
スイス時計史の中で、ゼニス(ZENITH)は「実直なマニュファクチュール」として特別な地位を築いています。派手な広告戦略よりも、自社一貫製造とムーブメント開発の質でファンを増やしてきた希少なブランドです。
昭和初期に日本の鉄道省(現在のJRの前身)に鉄道時計として正式採用されていたり、かの「ルパン三世」の次元大介がアニメのなかで着用していた時計ブランドとしても有名ですが、
今回は、ゼニス時計の技術的背景や代表ムーブメントの詳細、年代による価値変動、市場で評価されるポイントなどを、買取店の専門視点から深く掘り下げて解説致します。
ゼニスは1865年創業の老舗で、早くからムーブメントの自社一貫製造体制を確立した数少ないブランドです。
他社と差別化される代表点は以下の通り:
組立だけでなく、
設計
製造
加工
調整
に至るまで一貫したラインを維持。
これはロレックス・ジャガールクルトなど限られたブランドしか持たない強みです。
クォーツショック時、エル・プリメロの製造停止が決まった際、職人シャルル・ヴェルモが設計図や工具を屋根裏に隠し、後に機械式需要が戻ったとき復活させた話は有名。
この“ブランドの魂を守った歴史”は、時計ファンの支持を強固にしています。
1969年に誕生した El Primero(エル・プリメロ)は、
世界初の10振動(36,000振動/時)自動クロノグラフムーブメントとして時計史に名を残しています。
1/10秒まで計測可能
振動数が高いため等時性に優れ、精度が高い
クロノグラフ作動時の精度低下が少ない
ハイビートは部品の摩耗が大きいという弱点はありますが、ゼニスは素材の改良により耐久性を高め、実用時計としての評価を確立しました。
1988年〜2000年初頭まで、ロレックスはデイトナの自動クロノグラフをゼニスに依存していました(Cal.4030)。
これはエル・プリメロをベースにロレックスが調整したもの。
これにより、
「ロレックスが採用したムーブメント」=高信頼性
という確固たるブランド価値が生まれ、現在の中古相場でも評価の軸になっています。
エル・プリメロを象徴するフラッグシップ。
特に「三色インダイヤル」はゼニスのアイコンとして高いブランド認知があります。
【査定ポイント】
Cal.400系 → 安定した人気
Cal.3600(1/10秒計測の新型) → 現行で特に高評価
トリコロール文字盤は中古市場で流動性が高い
“現代ゼニスの顔”として再注目されているシリーズ。
スケルトンモデルやチタンケースなど新素材を積極採用。
【査定ポイント】
DEFY Classic → 市場価格が安定
DEFY Skyline → 新世代のエル・プリメロ搭載で相場上昇傾向
スケルトン系 → 若年層・アジア市場で人気が高く、買取額が伸びやすい
薄型でドレス寄りのシリーズ。
職人技の仕上げが美しく、時計通に好まれます。
【査定ポイント】
Cal.670(エリートムーブ) → 高精度・薄型が評価
18金ケースは海外需要が高い
市場流通量が少なく、個体によって値幅が出やすい
エル・プリメロは年代で性能が異なり、特に
Cal.400系(ヴィンテージ性)
Cal.3600系(最新・1/10秒計測)
は評価が高い傾向。
ゼニスはカラーで価格差が出やすいブランド。
白×黒のモノトーン
トリコロール
スケルトン
などは流通が多く高値がつきやすい。
デファイの限定シリーズなどは出回りが少なく、国内外の需要で価格が大きく変動します。
ゼニスはコレクター比率が高いため、
ギャランティ
箱
替えベルト
の有無が他ブランド以上に査定に影響します。
ハイビートは精度維持のため定期的なメンテナンスが必須。
「3〜5年以内のOH」や「メーカー修理明細」がある個体は高評価になります。
ゼニスは角の立ったケース形状も多く、やりすぎた研磨は価値を下げます。
無理に磨いていない“オリジナルコンディション”はコレクターに好まれます。
ゼニスはムーブメント・年代・限定性で価値が大きく上下するブランドです。
そのため、知識不足の店舗だと本来の価値を見落とし、適正価格がつかないこともあります。
おたからや梅津店では、
エル・プリメロ各世代
DEFYシリーズの市場トレンド
希少リファレンスの価値
までしっかり把握した上で査定しております。
ゼニスの売却をご検討の方は、ぜひ一度ご相談ください。
時計・宝飾販売歴30数年の「清水」にお任せ下さい!!
皆様のご来店心よりお待ちしております。